最後の恋 その8
別れの日が、来た。
今日、美月はアメリカに帰る。
成田空港まで、彼女を送りに行くことにしている。
横浜駅で待ち合わせ、成田エクスプレスで成田に向かった。
ふたりは今までの6日間が嘘のように、ほとんど言葉を交わさなかった。
ふたりの別れの時が、どんどん近づいてくる。
美月に何を話せばいいのか、言葉がみつからない。
美月は、何だったのだろうか。
美月の乗る、ジャンボのフライトのアナウンスがロビーに流れた。
出国ロビーに、向かって歩き出した美月。
突然立ち止まり、しゃべりだした。
「今ここで貴方が『行くな!』と引き止めてくれるなら、わたしはロスには戻らないわ。」
「え、・・・、でも・・・・・・。」
「いいわ、貴方は何も言わなくても。
貴方のこころの奥に、別の誰かがいることには気づいていたから。
でもKは、この1週間だけはわたしだけの恋人でいてくれた。
今のあなたの、そのひとに対する気持ちを大切にしてほしい。
『好き』という、その想いを。
今日まで、わたしも貴方への『好き』という想いを大事に育んできた。
そしてこの1週間の素敵な想い出と共に、こころの奥にそっとしまって鍵をかけるの。
そしてわたしはロスに戻り、素敵なパートナーと一緒に新しい人生を歩きだすわ。
貴方に出会えて、本当によかったわ。
ありがとう、そしてさよなら。」
美月はそれだけ言うと振り返り、出国審査ロビーへエスカレーターで降りていった。
彼女は、1度も振り向かなかった。
その背中がひとりの女性として、とてもたくましいものに思えた。
彼女は自分の人生を自分の足で、歩き出したのかもしれない。
美月と別れ、帰りの成田エクスプレスの中で考えていた。
彼女が言った、言葉の意味を。
こころの奥にいる、誰かのことを。
鎌倉で出会った少女は、もう想い出になってしまった。
一体、誰なのだろうか。
自分でも気づかずに、誰かに恋をしているのだろうか。
それが「最後の恋」、なのかもしれない。
- 完 -
今日、美月はアメリカに帰る。
成田空港まで、彼女を送りに行くことにしている。
横浜駅で待ち合わせ、成田エクスプレスで成田に向かった。
ふたりは今までの6日間が嘘のように、ほとんど言葉を交わさなかった。
ふたりの別れの時が、どんどん近づいてくる。
美月に何を話せばいいのか、言葉がみつからない。
美月は、何だったのだろうか。
美月の乗る、ジャンボのフライトのアナウンスがロビーに流れた。
出国ロビーに、向かって歩き出した美月。
突然立ち止まり、しゃべりだした。
「今ここで貴方が『行くな!』と引き止めてくれるなら、わたしはロスには戻らないわ。」
「え、・・・、でも・・・・・・。」
「いいわ、貴方は何も言わなくても。
貴方のこころの奥に、別の誰かがいることには気づいていたから。
でもKは、この1週間だけはわたしだけの恋人でいてくれた。
今のあなたの、そのひとに対する気持ちを大切にしてほしい。
『好き』という、その想いを。
今日まで、わたしも貴方への『好き』という想いを大事に育んできた。
そしてこの1週間の素敵な想い出と共に、こころの奥にそっとしまって鍵をかけるの。
そしてわたしはロスに戻り、素敵なパートナーと一緒に新しい人生を歩きだすわ。
貴方に出会えて、本当によかったわ。
ありがとう、そしてさよなら。」
美月はそれだけ言うと振り返り、出国審査ロビーへエスカレーターで降りていった。
彼女は、1度も振り向かなかった。
その背中がひとりの女性として、とてもたくましいものに思えた。
彼女は自分の人生を自分の足で、歩き出したのかもしれない。
美月と別れ、帰りの成田エクスプレスの中で考えていた。
彼女が言った、言葉の意味を。
こころの奥にいる、誰かのことを。
鎌倉で出会った少女は、もう想い出になってしまった。
一体、誰なのだろうか。
自分でも気づかずに、誰かに恋をしているのだろうか。
それが「最後の恋」、なのかもしれない。
- 完 -
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